secondlaman(片思い)のブログ

極々平凡なオヤジの不倫に到達できない片思いブログをどうぞ読んでいってください。強烈なセカンドラマン生活を突っ込みどころ満載でお送りします。

星に願いを 七夕告白

約半世紀を生きてきて、好きな女性に告白するというのは何度目だろうか。
たぶん7回だと思うが、その全てが空振りだった。


女房いるので、一応結婚しているのだが(笑)、告白というか友達関係になっていつの間にやら付き合いだした感じだった。


この歳になって本当に付き合いたい人。女房がいるのに付き合いたい人。
不倫になるリスクを負って、こどもに非難されることも覚悟している。 
たぶんこの人と付き合えれば人生変わるのではないかと思っているのが星野マスミだ。


色々考えると眠れなくなる。一応社長であるが、仕込みのヘルプにいくので朝の5時には家を出なければならないのだが、何故か寝付けない。


彼女との過去の接点を思い出している。最初の面接、彼女との接点づくり、メール、LINEの交換、そして最初の告白。


そう約2年前にも告白している。その時は自分は好きという気持ちに押しつぶされてどうしようもなく、自爆してしまった。戦場で竹槍で特攻した感じだった。
あの時の特攻は決して無駄ではなかった。彼女の表面上だけでなく、より裏の部分まで知ることができたから。


そして今回、あの時よりも彼女と自分の仲は友達として確実に進化している。
あとは、自分が覚悟を持てるかどうかだけなのだ。前回と同じように振られないためにも
この覚悟を彼女に見せよう。見せるしかないのだ。


そう心に思い詰めて、彼女の待つ部屋へ入った。

告白前夜

7月6日(金) 今日も彼女とLINE でラリーを楽しんでいた。彼女と言っても、ただLINEをするだけのプラトニックな関係だった。


今日も心のみが奪われている。


「娘が今日からメガネっ子になりました。中々似合ってます。
                   社長は目はいいんでしたっけ」
「目だけがいいんです。目だけね」


「目だけがいいってそんなことないよ。社長、そんなことないよ(笑)」


大爆笑スタンプの連打
これもよく彼女がよくやる業だ。連続していろんなスタンプを打ってくる
かわいいやつ 親父キャラ LINEのメインキャラ等とりあえずよくこれだけ出せるなあ
と感心する。


そうこうしていると一枚の写真が送られてきた。


「何かかっこいい写真だと思ったらわが店の写真か」


そうライトアップしているわが店の写真が送られてきて彼女が近くを通っていると思うとうれしくなってしまい、余計なことを言ってしまった


「最近、社長、自惚れてるでしょう」
「自惚れてる?そんなことは滅相もございません。ただ調子に乗ってるだけです。
そしてあることに気づいてしまったのです」


そう最近は調子に乗っている。お店が昨対比で順調なのもそうだし、銀行交渉も上手くいき次は福島市に7号店を新規出店を考えている。


そしてそんなことより、憧れの星野マスミと他愛もないLINEが2週間以上もつづているのである。これを調子に乗らずになんと言うのか。自然とスマホを見ながら自分はニヤケていた。油断している自分に彼女からのメッセージ


「調子に乗っているんだ(笑)そして社長は何に気づいたの?」


覗き込むようなかわいいスタンプも送られてきた
気づいたことは言える訳がなかった…


憧れの人 マスミが好きであることを‼ ずっと好きであることを。そのことを2年前の告白で失敗して玉砕以降、封印していたことを…


※2年前の告白は後日掲載予定 乞うご期待(笑)


「まさか、社長気づいたのですか?私の円形脱毛症に(笑)」


もはや彼女の笑いのセンスは仙台の星 サンドイッチマンを超えている。


「あーそれそれ、言う前にバレたか…なんてね。違うよ。それは秘密だよ」


「違うのかー。社長の痔はWikipediaに載ってるから全世界に配信されてるし、
何だろう?」


「わからなければ、いいよ。明日時間があったら教えるね」


「いやいいです。社長が秘密というならば仕方ないです」


「そう、興味ないの。それじゃあ言わないよ。また、興味があったら聞いてね」


そのあと、急に時間が空いて長文が送られてきた。


「前にも話した気がするのですが、変な駆け引きが好きでなくて…
言いたいことは言って、言いたくないことは言わないでいい、でも何っ?て聞きたくなるようにされると、どうしていいかわからなくなるんですよ。
この人はあることに気づいた‼と言っている。何と聞けば、秘密という。
秘密ならそうやって言わなければ、いいのに、言うってことは聞いてほしいかな?
て思うんです。社長?どっちなんですか?」


至極、正論である。
この優秀さは秘書にしたいぐらいである。まあ、きっちり管理されそうだが(笑)


さてどうすべきか、自分の気持ちを言うべきか。
せっかく楽しくLINEができているのに、距離を置かれたら?今よりひどい状況が待っている?前にも告白してるし、大丈夫だ。今はお互いが免疫ができている。


そしてあることに気づいた。明日は七夕だ。大丈夫だ。理論も数値的根拠もないがなぜか自信が出てきた。


「よし、明日時間があったら教えるね。楽しみにしててね」


何が楽しみかわからないが、相手にとっては苦痛かも知れないとは
この時は一秒も疑うことをしなかった。

プロローグ

    

平成最後の7月、世間がW杯の日本代表に盛り上っているときに自分は、久々に彼女とのLINEが続いていた。彼女と言っても11歳の長女でもなく、同級生の女房でもなく、自分と同じ48歳の既婚女性である。


名前は、星野マスミ。出会いは彼女が5年前に私が経営する喫茶店に
アルバイトの応募に来た。面接の時、彼女は屈託のない素敵な笑顔で言った。


「以前勤めていたイタリアンレストランでは誰よりもトイレ掃除を一生懸命し、綺麗にしていました。それが一番自信があります」


女優と言われるほどの美人ではないが、この田舎ではそこそこ目立つ美貌の彼女がトイレ掃除か得意と言い放ったのだ。なんか、そのギャップに自分は引き込まれそうになった。


当然、この喫茶店のオーナーである自分は採用を即決した。
ただ、この時の自分は浮気とか不倫とか婚外恋愛とかそんなことは考えたこともなく、ただ純粋に彼女を採用したのだ。


いつもは従業員はオーナーである自分が初期トレーニングを実施するのであるが、彼女に関しては野生の勘が働いた。近づいてはいけない。何か得体の知れない魅力を感じたのだ。そして3号店目の出店準備の多忙を理由に、教育係として当時店舗で店長として働いていた女房を指名した。


今となっていれば、この時の勘は当たっていた。星野マスミは自分には憧れの存在になっており、片思いの相手として執着してしまっている。
彼女と出会いの日から、自分の喫茶店5店舗に増え、3児の父になった。
周囲から見れば、人生が順調で仕事も家庭も満足できている状態である。
自分でも間違いなく運もよかったし、女房も含め恵まれていると思う。


ただ、今の幸せを持ってきても、彼女の魅力がそれを上回った。しかも手に入らないという状況なのに…。


そんな情けない男の備忘録としてこのブログを続けていく。